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どのように「ブラック校則」をなくせるか――ジャーナリズム×アカデミズムの可能性 荻上チキ×内田良(シノドス 2018.09.21)

生まれつき茶髪なのに黒髪に染めさせる、下着の色を指定するなど、理不尽な校則の現状に問題提起を行った、荻上チキ氏・内田良氏の編著『ブラック校則』(東洋館出版社)が発売された。

荻上氏・内田氏が参加し、2017年末に発足した「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」が行った大規模な全国調査によると、下着の色の指定など、以前よりも細かな規制が増加するといった厳格化の傾向がみられるという。

校則にどのような変化が起こっているのか。どのように「ブラック校則」をなくせるのか。ジャーナリズムやアカデミズムによる社会問題への応答可能性にも言及を広げる、荻上氏・内田氏による対談をまとめた。(構成/東洋館出版社編集部)

いま、校則について問題提起する理由

荻上 2017年、大阪の女子高校生が生まれつきの髪色を黒く染めるよう強要され、不登校になったことから裁判を起こした。その報道に触れたことが、私が校則問題に取り組むきっかけでした。

そもそも私自身、学校で多くの理不尽な経験を受けてきました。そんな思いをする子を減らしたい、できるだけ安全安心な教室環境をつくりたい。そういう観点から、これまでも教育について幅広く問題提起してきました。『ブラック校則』もその1つだと思います。

内田 今回荻上さんは、「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」のスーパーバイザーとして、調査を主導的に行っています。

荻上 私は評論家のモットーとして、ある問題に関心を持ったとき、その問題の研究成果とメディアをうまくコーディネートしてつなげることが役割だと思っています。ただ調べた限り、「校則の専門家」というのがほとんどおらず、現代についての調査もありませんでした。だから専門家と協力して問題提起をしたいと思い、組み体操や部活動などの教育分野の問題で精力的に発信をしている内田さんに、調査設計や分析面で協力して頂いたのです。

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