髪の毛が生まれつき茶色いにも関わらず、教員から黒く染めるよう強要され、精神的苦痛を受けて不登校になった女子高校生が大阪府を相手取って裁判をしています。今回は、この問題を端緒に校則のありかたについて見直しを求めるキャンペーンを立ち上げた「ブラック校則をなくそうプロジェクト」のお三方にお話を伺いました。
「裁判に勝つこと」がゴールではない
ーー皆さんはもともと校則にまつわる問題とは別のことにアプローチする活動をされてきたかと思いますが、詳しくご教示いただけるでしょうか。
渡辺 私は理事長としてNPO法人「キッズドア」を運営しています。活動内容としては、一人親家庭で育っていたり、収入が少なくて生活保護を受けていたりする中学・高校生を対象とした無料の学習支援や、学習指導に加えて食事も出す施設を毎日オープンに運営して、子供たちの居場所作りをおこなっています。
荻上 僕は評論家であり、NPO法人「ストップ!いじめナビ」の代表理事としていじめ被害に遭った子供の支援活動をおこなっています。
須永 僕は「ストップ!いじめナビ」の副代表です。もともと不登校を経験していて、フリースクール出身というバックボーンもあり、今こういった活動に携わっています。
ーー皆さんはプロジェクト発足以前からお知り合いだったんですよね。
須永 そうです。僕とチキさんはもちろん、渡辺さんとは子供の支援に関わるNPOのイベントなどでお会いする機会が多くて。